”サウナ”にもいろいろ種類があるようでして、今回は”遠赤外線サウナ”の話です。
以前、別の記事で「サウナは体に良さそうだぞぉ!」という話をさせて頂きましたが、これはファンランド式サウナに限定した話でした。
そこで今回は、「遠赤外線サウナって何ぞや?」という話から、効能の有無まで話を深堀していきたいと思います。それでは行きましょう。
遠赤外線サウナとは?
遠赤外線サウナの特徴を一言でいうならば、「体の芯から温まることを売りにしている、暑すぎないサウナ」です。フィンランド式サウナは、80-100℃前後の室温で体を温めるのに対して、遠赤外線サウナは60℃前後の温度で体を温めていきます。
フィンランド式サウナとは異なり、遠赤外線サウナは家庭でも利用できる商品が販売されていますので、家庭でもサウナを楽しめることが特徴として挙げられます。
ただ温度が違うだけ?
温度が違うのは事実なんだけど、熱源/入浴ルーティーンが違うんだ。
フィンランド式サウナは、サウナの熱源であるサウナヒーターの熱岩に水をかけることで温度・湿度を上げています(図1)。また、サウナに入った後は、水風呂⇒外気浴のルーティンをセットにした、温冷浴が推奨されています(文献1)。
図1. フィンランド式サウナのイメージ
一方、遠赤外線サウナは出力強めな電気毛布のようなもので体を覆い、ドームの中を温めるものが多いです(図2)。さらに、温冷浴を行わないことも特徴です。
遠赤外線サウナの入浴ルーティンは、遠赤外線を15分間ONにしたのち、その温かい空間にさらに30分間滞在するというものです(文献2)。
図2. 遠赤外線サウナのイメージ
そもそも”遠赤外線”って何?
”遠赤外線”は赤外線の中でも、エネルギーが小さく波長が長い赤外線です。赤外線は電磁波の一種なのですが、詳しくは👇の記事で詳しく解説しているので、割愛させていただきます。
われわれの日常の中では、電気ストーブ、こたつ、トースターといった家電によく用いられており、”赤く発光している暖かいもの”を想像して頂ければよいのかなと思います。
遠赤外線サウナは体に良い!?
2018年にスウェーデンのウプサラ大学らが発表した論文によると、遠赤外線サウナは体に良いとされています(文献2)。
こちらの研究は、遠赤外線サウナの効果について調べた研究1,444件の中から、信頼性が高いと判断した7件の研究を抽出した統計的レビューとなっています。調査内容は「心不全患者に、赤外線サウナを5回/週の頻度で2~4週間利用してもらうとどうなるか?」というものでした。
調査の結果、心不全のベンチマークである、B型ナトリウム利尿ペプチド/心胸郭比/左心室駆出率の三つに改善が見られたのです。つまり、心不全に対して良好な影響がある可能性が高いのです。
ただし、上記の研究にはいくつか懸念点もありまして、それらについても押さえておきたいと思います。
懸念点①:対象者は標準的な投薬も受けていた
研究対象となった心不全患者は、サウナだけの効果で体調の改善が見られたわけではない可能性があります。なぜならば、研究対象となった心不全患者たちは、標準的な投薬も受けていたためです。
懸念点②:遠赤外線のおかげかどうかはわからない。
遠赤外線を浴びる医療法は世の中に存在しており、それらに効果があるという報告もあります(文献3)が、通常のフィンランド式サウナを利用することでも、心不全の改善がみられるわけですので、
”遠赤外線”のおかげなのか、”体を温められている”ことのおかげなのかは、まだはっきりしていないわけです。
したがって、まだまだ普及していない遠赤外線サウナをわざわざチョイスするメリットが、それほど大きくない可能性もあります。
とはいえ、身体を温めること自体は、体感的にも体に良さそうな気がするのは間違いないので、お手軽に体験できる機会があれば、ぜひ試してみたいとも思います。
情報をキャッチしつつ、自分の感覚でサウナを楽しもう!
今回は「遠赤外線サウナは体に良さそう(少なくとも害は無さそう)」という情報を共有をいたしました。
針や鍼灸もそうですが、意外と医学的な効果が証明され切っていないアンチエイジングは多いですので、自分の体感値を信じて利用していくしかなさそうですね。
今後も面白い論文を見つけたら、皆さんに共有していきたいと思います。
ブックマークするかどうかはお任せしますので、よろしければもう一つ、StrixHiroの記事をご覧いただけると非常に嬉しいです。
以上、StrixHiroでした。