フィットネスジムでトレーニングをする人なら誰でも、足を上げた状態でベンチプレスやダンベルプレスをやっている人を見かけたことがあるのではないでしょうか?
何だか力が入らなさそうだし、不安定だし、なんで足上げるんだろう?
このような疑問を抱く人も多いと思います。※著者自身も不思議に思っていました。
フ〇テレビのTE○PENなどを通じて、ベンチプレスはとても馴染み深いトレーニングになってきています。しかし、足上げベンチプレスはその詳細があまり知られていないトレーニングです。
そんな”足上げベンチプレス”は本当に効果的なトレーニングなのか、海外の論文を基に調査しましたので、皆さんに共有します。それでは行きましょう!
足上げベンチは有能なトレーニングメニュー!
結論、足上げベンチプレスは非常に有能なトレーニングメニューです。
◇足つきベンチプレスよりも、大胸筋へより効率よく負荷を与えられる
◇腕、体幹、お尻、脚も同時に鍛えられる
◇腰痛を防止できる
以上のメリットが得られるため、初心者のころからぜひ取り入れたい種目ですね。
本当に効果的で有能なの?
そんなこと言われても、信じられないよ!
バランスとるのが難しくなって、使用重量が下がっちゃうだけなんじゃないの?
実は、足上げベンチプレスのメリットについて実験で証明してくれた人がいるんだ!
なんと、2019年にスペインのアルメリア大学らが発表した文献によると、通常のベンチプレスよりも、足上げベンチプレスの方が、筋肉の活性度合いが高かったと報告されているのです。意外な結果で興味深い。。。
大胸筋の活動率は約10%向上!
下表のような20人の男性を集めて行われた今回の調査では、通常のベンチプレスと比較して足上げベンチプレスの方が、大胸筋の活動率が約10%向上していることがわかりました。
特徴 | 平均値 | 標準偏差 |
---|---|---|
年齢 [歳] | 22.8 | 3.0 |
体重 [kg] | 77.0 | 8.9 |
高さ [メートル] | 1.8 | 0.1 |
BMI [kg・m^ -2 ] | 23.8 | 2.2 |
肩幅 [cm] | 69.5 | 4.0 |
1RM ベンチプレス [kg] | 85.0 | 12.9 |
20人のベンチプレス記録の平均値は85㎏なので、普段からトレーニングに励んでいる人を集めたようですね。
また、以下のように各筋肉の活動量が向上しており、活動量が低下している筋肉はありませんでした。
◇大胸筋上部:15%UP
◇大胸筋中部:9%UP
◇大胸筋下部:11%UP
◇三角筋前部:10%UP
◇上腕三頭筋:12%UP
◇前腕:13%UP
◇腹直筋:125%UP
◇外腹斜筋:306%UP
◇大腿四頭筋:679%UP
ベンチプレスに必要な、胸/腕/肩に留まらず、体幹や太ももにも高い負荷を与えられていることがわかります。胸により効かせられるだけでなく、全身をバランスよく鍛えられるなんて一石二鳥過ぎませんか。。。
※エネルギー保存則を考慮すると、バーベルの重さが変わらないのであれば、足を接地できていない分の負荷を他の部位で補わなければいけないので、当然の現象かもしれません。
その他にもメリットがある!
足上げベンチプレスのメリットは他にもあります。
それは、「腰への負担を軽減できること」です。
通常のベンチプレスでは、胸を突き出し、アーチを組む必要があります。腰痛持ちの人にとってはなかなかツラい姿勢になります。
◇必要以上に腰を反ってしまう
◇脊柱起立筋など腰回りの筋肉が緊張状態になる
ことで、けがのリスクが高まってしまうのです。
腰痛が気になる方は積極的に、足上げベンチを取り入れてみてください。
足上げベンチのデメリット
足上げベンチは筋肉の活動量を高められるというメリットがある反面、デメリットも存在します。
それは、挙上重量が低くなってしまうことです。
つまり、競技としてのベンチプレスとしては不利になるということが最大のデメリットになります。
想像してみてください。足を上げるより、足をついた状態でベンチプレスを行った方が、より重いバーバルを挙上することができますよね?
したがって、自己ベスト記録を更新したい大会などでは使うべきではないフォームになります。普段のトレーニングでは、足上げベンチプレスを取り入れつつ、MAX1RM測定日には通常のベンチプレスを行うなど、使い分けをすると良いかと思います。
足上げベンチプレスのやり方
今回紹介した文献で取り上げられた、足上げベンチプレスのやり方と注意点を以下に示しますので、皆さんのトレーニングの一助にしていただけますと幸いです。
【足上げベンチプレスのやり方】
膝と股関節を90度に曲げた状態でベンチプレスを行う(参考画像B)
【注意点】
◆脚をベンチの上に乗せるタイプの足上げベンチプレスとは別物。
◆バランスを確実に取れる重量から始めて、けがを防止する。
セット数はどうしたらいいの?
セット数や、1セットあたりの挙上回数に関する考え方は、過去の記事で紹介していますので、そちらをご参照ください。
普段のトレーニングにバリエーションを加えよう!
今回紹介したトレーニングは、ベンチプレスに脚の変化を加えたバリエーションであり、大胸筋だけでなく脚筋や体幹にも刺激を与えることができます。多くの筋肉を同時に鍛えることができるため、トータルボディトレーニングとしても優秀な種目です。
ただし、バランス感覚も必要になり、普段とは違う負荷がかかるため、初心者やケガをしたことのある人は注意が必要です。また、トレーニング方法のメリット/デメリットをしっかり理解して、フォームを使い分けることも重要です。
「腰痛に悩まされているけどトレーニングは続けたい・・・」
という方にも有益な情報かと思いますので、ぜひご家族やご友人に紹介してみてください。
ブックマークするかどうかはお任せしますので、よろしければもう一つ、StrixHiroの記事をご覧いただけると非常に嬉しいです。
以上、StrixHiroでした。