ダイエットや健康に関する話で、”代謝(Metabolism)”という言葉を耳にしますが、よくわからないですよね。
いろんなイメージを持っている人がいると思いますが、正しく認識できている人は、意外と少ないのではないでしょうか?いざ詳細な意味を調べてみても、難解な化学式や横文字のオンパレードでよくわからないことが多いです。
今回の記事では、2020年にイギリスのコベントリー大学が発表した研究を参考に、代謝について超わかりやすく解説します(文献1)。
この記事を読めば、専門的な知識がなくても、代謝について理解することができます。からだの仕組みについて学んで、日々の健康的な活動に活かしてください。それでは行きましょう!
【図解】体内で起きている代謝のイメージ図
以下の画像は、ヒトが炭水化物を食べてから、体内で炭水化物を消化し、それをエネルギーとして使用したり、蓄積する様子を簡単に示したものです。
上の図を用いて、各項目について代謝の観点で、詳しく解説していきます。
代謝(Metabolism)とは何か
代謝とはズバリ、異化作用と同化作用の総称です。
異化作用と同化作用って何のこと?
異化作用とは、複雑な高分子が二酸化炭素、水などの単純な分子に分解されることで、同化作用とは、単純な分子から、多糖類や、タンパク質などの複雑な高分子を合成することです(文献1)。
Judge A, Dodd MS. Metabolism.
また、異化作用が起こるとエネルギーを取り出すことができます。反対に、同化作用を起こすにはエネルギーが必要となります。
エネルギーを、単純な分子同士をくっつける接着剤のようなものだとイメージすると、わかりやすいかもしれません。
代謝のイメージがだんだん分かってきたところで、炭水化物の代謝の流れを具体例として、代謝についてさらに深堀していきます。
①食べる
「①食べる」は異化作用です。
ヒトの体内で分泌されている食べたものを消化しやすくするための物質が、炭水化物(大)をぶった切って、炭水化物(中)にします。
また、 ”ヒトの体内で分泌されている食べたものを消化しやすくするための物質”は一般的に、”酵素”と呼ばれているものです。さらに、ここで登場した酵素を、酵素Aとします。
②分解し、エネルギーを取り出す
「②分解し、エネルギーを取り出す」も異化作用です。
酵素Bが炭水化物(中)をさらにぶった切って、炭水化物(小)にします。また、この炭水化物(小)は一般的には、ブドウ糖と呼ばれるものにあたります。
このブドウ糖は、ヒトが生きていくうえで欠かせないエネルギーとなります。車でいうところのガソリン、家電製品でいうところの電気にあたります。
③エネルギーを消費する
「③エネルギーを消費する」は、異化作用でも、同化作用でもありません。
炭水化物(中)から取り出されたされたブドウ糖は、筋肉や臓器でエネルギーとして使用されます。
臓器の中でも特に、脳は特別で、ブドウ糖以外のエネルギーではほとんど動かない臓器となっています。
ところで、③は異化作用でも、同化作用でもないってことはつまり、”代謝”じゃないってこと?
「③エネルギーを消費する」は今回説明した代謝=物質代謝という考え方においては、代謝には含まれないんだ。だけど、代謝の中の”エネルギー代謝”という考え方においては、代謝に該当すると思うよ。
代謝にも複数の観点があり、以下のようになっています。
”③エネルギーを消費する”は、分子を分裂させたり、合体させたりするわけではなく、”消費”するので、異化作用および、同化作用のどちらにも該当しないと考えられます。
また機会があれば、エネルギー代謝についても解説しますね。
④エネルギーをエネルギーとして蓄積する
「④エネルギーをエネルギーとして蓄積する」は同化作用です。
「③エネルギーを消費する」 で消費しきれなかったブドウ糖は、筋肉や肝臓に貯められます。しかし、そのままの形では、筋肉や肝臓に貯めこんでおくことができません。
そこで、ブドウ糖は友達をいっぱい集めて、体に貯蓄できる形のグリコーゲンに変身し、筋肉や肝臓に貯められます。
”グリコーゲン”って何?
グリコーゲンは、筋肉や肝臓に貯蓄してもらうためにブドウ糖などが集まったものです。
体のエネルギーが不足した際には、ブドウ糖の形に再び戻り、「③エネルギーを消費する」と同様に筋肉や臓器にエネルギーとして使用されます。
ちなみに、”グリコーゲンがブドウ糖の形に戻る”は、 ”複雑な高分子が単純な分子に分解されている”から異化作用だね。
⑤エネルギーを脂肪として蓄積する
「⑤エネルギーを脂肪として蓄積する」は、同化作用です。
筋肉や肝臓は4次元ポケットではないため、「④エネルギーをエネルギーとして蓄積する」で貯められるグリコーゲンの量にも限界があります。
よって、「④エネルギーをエネルギーとして蓄積する」で貯めきれずに、余ってしまうブドウ糖も出てきます。
この余ったブドウ糖は、今度はブドウ糖とではなく、コレステロールと友達になり、グループを作ります。これが中性脂肪です。
以上が、ヒトの体内で起きている代謝のイメージになります。
炭水化物が代謝によって、エネルギーや脂肪にかわる流れが良くわかったよ!!
まとめ:代謝とは「異化作用」と「同化作用」の総称!
今回の記事では、代謝とは何かを解説をしました。
- 代謝とは、「異化作用」と「同化作用」の総称
- 異化作用とは、複雑な高分子が二酸化炭素、水などの単純な分子に分解されること
- 同化作用とは、単純な分子から、多糖類や、タンパク質などの複雑な高分子を合成すること
ヒトの体の構造や働きには、まだまだ未知な部分がたくさんあるため、今回の解説が完全に正しいわけではありませんが、大きなイメージを掴むことはできたのではないのでしょうか?
また、話を分かりやすくするために、省いた話などございますので、より詳しく知りたいという方は、ぜひ調べてみてください。
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これからも一緒に、健康に関する知識を深めていきましょう!
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以上、StrixHiroでした。